48人が本棚に入れています
本棚に追加
「アーウィンさんはいますか?」
私の声に【ふいぎゆあ】を真剣な面持ちで並べていた仮研究室の面々がこっちを向いた。
その目は血走っている。
思わず
「ひっ……。」
と、言ってしまったのは仕方の無いこと。
「アーウィンは今、資料を取りに貨物室に行ってます。」
助教授が両手に【ふいぎゆあ】を持ちながら答えてくれた。
「貨物室って……???」
箱庭の様なスペースに【ふいぎゆあ】を置いた助教授が、ゆっくりとこちらにやってきた。
「はい、ご案内します。」
私たちにお辞儀すると、くるりと生徒の方を振り返り……。
「いいか、戻るまでそのままだ!」
低い声で研究員に言い渡す。
最初のコメントを投稿しよう!