序章 私はこうして旅立った

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「アルグ……。」 私は固く閉ざした窓に手を当てた。 「ミル、またあの夢を見たのかい?」 アルグの優しい声が響く。 「うん……。」 今朝見た夢は、もうその時が目の前だと告げていた。 「お願いアルグ、あなただけでも逃げて!!」 私はここから出られない……いや、みなを置いて逃げるわけには行かない。 神の声を伝えきれなかったのは、私の未熟さゆえの事……。 せめて、アルグだけでも……。
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