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今日は十一月十二日。とても寒いなと思って起きて天気予報を見ていたら、雪が降っていた。十四年ぶりだったので、ついはしゃいでしまい、パジャマのまま窓を開けると、寒すぎて震えが止まらなくなり、あわてて窓を閉めた。
私は先月から転勤で北海道に来ていた。まぁよくあることらしいが、入社二年目になったらすぐ転勤させるのはやめてほしかった。
が、今ではなんとかこっちでやっていけてる、と思う。
「にしてもやっぱ北海道は寒いな~」
そう言って私は朝ごはんに用意したコーヒーを平然とした顔で
「苦っ・・・」
まだコーヒーは苦手です・・・。
「あっ、もうこんな時間?」
まだ間にあうのだが、今日はいつもより早めに出なければならない日だった。
いつものように用意をし、ブーツをはいて外に出る。
大通りに出るショートカットの細い道路を、メールの返信をしながら歩いていると、前から来た人にぶつかってしまい、
「す、すいませんっ」
と言って顔を上げると――。
『私』がいた。
・・・、訂正する。私っぽい人がいた。
「・・・え?」
相手が少し間の抜けた声を出したので思わず笑ってしまう。
それにつられて相手も笑い、私達はしばらくのあいだ笑い合った。
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