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「改めて見てもそっくりですね――」
相手が私の顔をまじまじと見て言う。彼女、白銀詩織さんと言い、散歩をしていたそうだ。
なので今、一緒に私のいつもの通勤ルートを歩いている。
「あ、そういえば名前なんて言うんですか?」
さっき自己紹介したときに言おうとしたのに、白銀さんがさえぎって話し出したんですけど・・・。
と言いそうになるのをこらえて、
「日純鈴音っていいます」
となるべく笑顔で答えた。
「ふーん。鈴音さんだね! あれ? 鈴音さんっていくつですか?」
「二十二ですけど・・・」
「え!? 一こ下!? てっきり上かと思ってたー」
ということは二十三か・・・。
そうは思えないような口ぶりだったので少しおどろいた。が、その後もずっとタメ口だったので年上にも年下にもこの態度の人なんだろうと納得した。
私の会社につく少し前に白銀さんが
「アドレス交換しましょ! ドッペルゲンガーなんて、そうそう会えるもんじゃないんだし!」
と言って来たので交換した。
こうして彼女と私の、奇妙な日々が始まった。
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