#01 蒼き月の下で

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#01 蒼き月の下で

活火山を中心に広がる鉱山都市・ガーネッタ 花園が有名な橙色の都市・カーネリア クリスタ全ての都市の電力の源・シトリア 自然豊かで精霊と暮らす街・ベリーラ 海の貴重な資源で栄えてきた街・マリーナ 深海にある都市・ラズリア 日夜様々な分野の研究が続く街・アメジスタ これら七つの都市で構成される水晶の国・クリスタ。 中央には七色の光を放つ管理者の箱庭・オパーリアがあり、街の統治法案の作成・修正などはここが担っている。 そして、クリスタには区分されずとも宝石の名を冠した街がまだ一つ、存在している。 その街こそが、この俺……ウォルフレッド・ファングスの生まれ故郷にして通称〈光届かぬ影の宝石都市〉…オニキスだ。 オニキスは簡単に言えばおとぎ話や神話でいうところの冥界や魔界に近い場所だ。 それゆえ、この街に暮らす者の大半は災獣(ディスター)に怯えて暮らしている。 だが、俺は違う……俺は確かにこの街で産まれたが、今こうして何事もなく生きている。災獣を狩り、そしてその亡骸を時として生きるための糧にしながら…… そんな俺は何年も前からそんな汚れ仕事だの影の仕事に手を染めて生計を立てている、というわけだ。 今まさに、俺は依頼主からの頼まれ事を片付けんと奮戦しているところだ。 今回の相手は魔羊(ギーリメ)級の災獣三体。俺からしてみればたいした相手ではない。 コイツらは行動がパターン化されている。一度戦えば、ほとんどの者がその動きやそれに対する対策を練ることができるほどだ。 ただ、オニキスはクリスタからの光が一切届かぬ影の都市である以上、動きが分かっていたとしても対処が難しい。 『グオオオオオオオオオオオオオオ!』 『ギャオオオオオオオオオオオオオ!』 『ガルァアアアアアアアアアアアア!』 なるほど、コイツらは少々知恵があるみたいだ。三方向からの同時攻撃と来たか……並の戦士や剣士なら多少は焦っただろう……だが、相手が悪かったな。 「頭の使い方は誉めてやらんでもない…だが、その程度のからくりなど、俺には通用しないぞ、迷える羊ども!」
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