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―夕刻、ウォルフレッドの家―
ジャキッ
「ねぇウォルフレッド、その女の子は誰?もしかして……“うわき”ですか?」
なぜこうなったどうしてこの子はキレたらまず手を銃とするんだ!誰の教えでこうなった!
「ひっ………」
そうだった、成り行きで今朝知り合った少女…メイさんを連れてきていたこと忘れていた。
「ひとまず銃を解け。お客さまの前だぞ。」
「むむむむむむ………」
今日の夕食はご飯とミネストローネ、それから温菜サラダとごく普通の献立だった……が、問題はそこではなく、メイを警戒する私の隣の女の視線が痛い…!
「そう言えば、ウォルフさんの横にいる女の子って何て言うんですか?」
一番恐れていたことが現実になってしまった……俺は確かにこの子の人間としての教育を任された…しかし、この子は出生の関係からまだ人としての名が与えられていない!
「名前……ないよ。」
「そっか……詳しいことは聞かないけど、お姉さんが可愛い名前をつけてあげる!そうだな……女の子だし……“レナ”なんてどうかな?」
「レナ………どうかな、ウォルフレッド?」
「いいんじゃないでしょうか。とてもお似合いですよ、レナ様。」
「わーい、ありがとうメイお姉さん……さっきは銃向けちゃってごめんなさい、あと……ウォルフレッドもごめんなさい。」
「いいんですよ、まだ子供なんですから。そうでしょ、ウォルフさん!」
あなたも俺からすればまだ子供なのですが…と言いたいところだったが、レナの目の前なのでここは言わずに「そうですね」と涼しい顔で答えた。
―メイの家の前―
「わざわざ送ってもらっちゃってごめんなさい、あと…レナちゃん、ミネストローネごちそうさま。」
「またいつでも来てね!」
「はい!」
こらこら勝手に約束を取り付けない!迷惑するのは私なのですよ………って、言うだけ無駄でしょうね。
「それでは、失礼します。」
「またねーーー!」
―ウォルフレッドの家、書斎―
…罪魔の核より産み出されし、他を超越する未知なる脅威〈超災獣〉…これは厄介なことになりそうだ。
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