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#03 忘れたい過去の整理
―聖オパーリア学園―
「はぁ……………」
「どうしたの、メイちゃん。最近ため息出てばっかだけど大丈夫?少し任務軽くしてもらったら?」
……内心、そうしてほしい!じゃないとこっちが不安になってくるんだって!
「ファルク、私なら大丈夫よ……ただ、少し悩みというか不思議なことが起きてるなっていうか…」
確かに…ここ最近奇妙な事件ばっか起きてるな。先日の災獣の襲撃といい、この間のよく分からない奴だったり……こっちが色々と聞きたいことが山々だよ!
「まぁ、なんだ……あまり僕が言えた義理じゃ無いかもだけどさ、深く考えすぎて倒れたら本当に心配だからね。程々にしときなよ。」
「うん……ごめんね、ファルク。」
「ううん、別にいいよ。僕はただ、同じ仕事をしてる仲間が倒れるのはあまり見たくないだけだから。」
……あの優しい狼さん、どこ行っちゃったのかな?
―その頃、クリスタ下層地区・オニキス―
オニキスにあるギルド〈影の輝石〉……それは請け負う仕事の内容に合わせていくつかの小グループに分けられているのが特徴だ。
ボク……クロゥ・クライテッドはそんな〈影の輝石〉の特殊犯罪対策のグループ〈シャドウアイズ〉に入ってるってわけ。
「朝早くにけしかけるような真似をしてすまなかった、クロゥ。」
コイツはボクの数少ない旧友ウォルフレッド…未だにボクもコイツの過去については色々と聞き込みたかったんだよなぁ。
もっとも、コイツよほどのことが無い限り自分の素性すらもろくに話しゃしねぇ奴だからなぁ。
「いいってことよ、ボクらは友達じゃないか。そんなことよりさ……本部の人から聞いたけど、あの力を使ったらしいじゃない?」
「あっ、あれは……俺の身体能力だけで助けられるような状況ではなかったからで……」
「まぁいいんだけどさ…もう少し抑えないと、もういい加減眼帯をつけることも考えなきゃいけなくなるよ。」
「…………そう、か。」
分かるぜ…お前が力を使った本当の理由…お前はまだ抜け出せてないんだな、あの日から。
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