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「はいはい……代金の支払いは、旧友につき免除とさせていただきます!」
俺はクロゥから眼帯を受け取った。魔力の込められていない銃弾を跳ね返すという破壊犀の皮が使われている…それに、本来なら右目は隠れるはずなのにレンズと極薄のカバーがついていた。
早速俺はそれをつけた。さっきまでの痛みが嘘のように消えていた。
「あとよ……罪滅ぼしのためだけにギルド活動続けてるなら、やめてくれよ。」
「安心しろ……与えられた任務に対し、私情は挟んでいないし、挟むつもりもない。」
ガチャッ
やれやれ……相も変わらず無愛想な奴だ。でもな…心のどこかで懺悔しっぱなしなのが丸見えなんだよ、お前の顔。
―ウォルフレッドの家―
相変わらずクリスタの光は眩しいな……
「…………どこ行ってたの?あと、右目のそれは何?」
「心配おかけしました…先日の一件で、右目に負荷をかけるような真似をしたがために、このような措置を取ったまでです。生活に支障はないので、ご安心を。」
「そっか……良かった。でも、心配させないで。」
「何度もご迷惑おかけしてすいません……」
やはり俺は、心のどこかでまだ罪滅ぼしをしようなどと画策しているのだろうか。
―翌日、聖オパーリア学園・正門―
えへへ……ウォルフレッドが何でいつも帰るの遅いのか自分で調べるもん!
でも……黒猫はやり過ぎたかな?
「あら……黒猫じゃない!ねぇファルク、授業はまだでしょ?この子もふもふしててもいい?」
「いいけど……あまり触りすぎて時間に遅れたら真面目なレディの名が泣くぜ?」
「分かってるわよ、もう!」
あわわわ………この女の子って確か、メイさんだったっけ。うぅ…〈変化〉を解除しにくくなっちゃった……
どうしよう!
―ギルド〈影の輝石〉・クリスタ本部―
新たな試みとして、|小隊〈チーム〉と呼ばれる団体で任務に当たるべく、俺は本部に召集された。
“久しぶりだね、ウォルフレッドお兄様。私のこと、覚えてるかな?”
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