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ガチャッ……
「なっ……ルージュ、いつの間にここに!?というか、どうして鍵のないお前が俺の家にいるのか詳しく聞かせろ!」
「簡単な話よ……たまたまここら辺を歩いてたら偶然ウォルフレッドの家を見つけたから、チャイムを鳴らしたら可愛い女の子が出てくれて……」
なるほど……お前たち双方に非があるぞ、これは。
「お前……確かにチャイムが鳴ったのが聞こえたら出ろとは教えたが……容易く人を入れるな。」
俺は銀髪の少女の頭を軽くコツンと打った。
「だってすごく入りたそうにしてたから……」
もしや…もう私のお人好しな面が移ってしまったのでしょうか…?
「ね、この子ったらすっごくいい子よ!これもきっとウォルフレッドのお陰ね!」
「お姉さん、ウォルフレッドのこと知ってるの?」
「知ってるも何も、私たちは昔からの仲良しさんよ!だから、あなたともお友達ね!」
「わぁ……ありがとう、綺麗なお姉さん!」
「まぁ……本当にいい子ね!よしよしよしよし…」
ああ……頼むからこのちゃらんぽらん女から色々と変なことを吸収して育たないでくださいね。
……そのあと、俺は何やかんや文句を言いながらも二人と夕食を食べた。
今日の献立はビーフシチューだった。まぁ、ルージュの一番得意とする料理なだけあって、すごく美味しいが……何か具材が大きい気がする。
「ねぇウォルフレッド、この料理の野菜はね…私が切ったの!……どうかな?」
「はい、とてもちょうどよい大きさですよ。」
「えへへ、次はもっと頑張るね!」
……疲れ身に彼女の言葉はやはり沁みるものがあるなぁ。まだそんなことを言っていい歳ではないのは分かっていても、こればかりは否定できない事実だな。
―その頃、ガーネッタ郊外―
ふぅ……あのはぐれ者、ボクと同じかそれ以上のスペックだったなぁ……少し速いかもしれないけど、“計画”を実行するか。
「やぁ、キミ。ボクと契約する気はない?」
「契約……一体何を言っているんだ?」
「実はね……ボクはキミたちみたいな力のない者に力を分け与えてるんだ。」
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