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―その頃、聖オパーリア学園では―
『オラァァ!……今のオレには力がある!誰にも負けない……誰もオレを……止められるわけないんだよぉ!』
僕、ファルク・エアリオンは今まさに大ピンチだった。当たり前だよね…だって、目の前に突然重皮犀級の災獣みたいなのが現れやがったんだ。
僕は幸いベリーラの守護騎士だったから、剣を持ってきてたけど……災獣のクセに剣が効かないなんてどういうわけだよ!
「バーカ、止めれるんだよ……ここにいるこのファルク・エアリオンって奴がなぁ!」
「待って、ファルク……ここは私が引き受けるわ。ファルクはみんなを誘導してあげて!」
「なっ、お、おい……それは普通男である僕の役目だろ?何で君が引き受ける必要があるんだよ!」
「それは…………とにかくお願い、早く!」
「……そこまで言われちゃあ僕もそうするしかなさそうだね。いいけど、無理しないでよ。仮にも君はあの伝説の守護騎士ガルフリック様の妹っていう肩書きがあるから!」
「分かったわ……それじゃあ、あとは任せて!」
私は……お兄さんとは違うの。私は私の道を生きていたいの……周りの人たちに比べて欲しくなんかないのに!
『女の癖に立ち向かおうとはいい度胸だなぁ。いいぜ……お前の全身ポキポキ折って泣き叫ばせてやるよ、この肩書きだけのお嬢様めぇ!』
「後悔させてあげるわ…はぁぁっ!」
ギィィン……グググ
『女にしてはいい重さだなぁ……けど、オレの手にいれた力はこんな程度のものなんかじゃないんだよ!』
重皮犀級の災獣みたいな化け物は角を光らせて、音波みたいなのを発生させた。けど、音波じゃなくてこれは……重力魔法の類いの技ね…
「きゃぁぁっ!」ドカッ……
『この力さえあれば……オレはいつまでもさいきょうでいられるんだぁぁぁ!』
「うああああ……っ……」
―その頃、ファルクは―
「ふぃー…何とかみんなをシェルターに避難させれたけど……って、何だありやぁ!音波……って、おい…体が何か押さえ込まれてんだけど!」
……無事でいてくれよ、メイちゃん。
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