第1話:焔千夏の気がかり。

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 あの子のお母さんに言われるがままに、リビングであの子を待つことになった。  しかし、そこには、主の帰りを待つ月のエルフィンがいた。 いやいや、霊害によって突然の浄化が必要なことも多々あって、いつ何が起きるかわからないから、フツーはエルフェンは主と共に行動するものなんじゃないのか。 と思ってはいたが、月のエルフィンはのんびりとした口調で、 「サラマンダー、ようこそ」 と言ったのだった。 月のエルフィンも男前だと思うが、サラマンダーの男前ぶりには勝てない。 月のエルフィンは、私が手に持ってきた、かわいい文字でキャンディドロップスと書かれている、プレゼント用の紙袋をじろじろと見ている。 「これはお土産。」 と私が言った後は、なんだか嬉しそうだった。 辛党のサラと違って、月のエルフィンは甘いものが好きなのかもしれない。
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