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それほど大きくはない店舗のせいもあってか、お客さんたちが長い列を作っていた。
あまりの人気ぶりに気後れしたが、ちょっと流行に乗ってやろうと言う思いもあって、列に並んだ。
気がつくと、もう日が暮れそうになっている。
ようやく店舗に入った頃には、生菓子はすべて売り切れていた。
それでも、
「いらっしゃいませ♪」
と、店員さんは快く私を出迎えてくれた。
若干舌ったらずな言い方で出迎えてくれた店員さんは、私と同い年くらいの女の子だった。
・・なんてかわいいんだ。
ケーキ屋さんの制服なんだろうか。
水色のスカートに白のドレスシャツと白のエプロン。
そして、小柄で小顔だ。
声は仔猫がミャウミャウ言っているようだ。
なんなんだ、このかわいさ。
まるで不思議の国のアリスに登場するアリスそのものだ。
おんなじ女子なのに、私とのこの子のこの違いはなんなんだ。
神官の娘らしく、地域に貢献しろと親から厳しく言われて育った私には、神官の娘らしい服装と立ち振舞いを仕込まれてきた。
衣服は、母が指定した母の好みのもので、父が娘に求める立ち振舞いにかなったものだ。
だから、街を出歩いても、衣服に関してはウインドウショッピングオンリーだ。
私の服装は地味だ。
それは仕方のないこととわかっている。
しかし、こうも映像的なギャップがあると、心理的なダメージがすごい。
私はいたたまれなくなって、仕方なくクッキーやらの焼き菓子のセットを買って、それをプレゼント用にしてもらった。
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