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そんな風にのたうち回って…漸く、魔法を解除することを思い出して、女に掴み掛かる。
「テメェ…ふざけんじゃねえぞおらぁああっ!!!」
「きゃ…!?」
掴んだまま、右へ左へ振り回す。
「…転校生とか言う奴呼べよ…ほら、ピンチだぜ?」
「王子!?一体どこから…!?」
「呼べよ!!」
「…っ!」
何処見てんだよテメェは…何時も何時も!…いや後ろか…!?
「転校生さんっ!」
見覚えの無い地味な男が、何か叫んでいる。
「ぁああ…てめぇか…!」
「止めろ王子!どうしたんだ!?」
「ははははははは…!!」
ぁあイラつく…なのに笑えて来る。
「…っ…!」
「…ぁ?」
何だよその目は…何でそいつを見てる。何で僕を見ない!
…いや、何でなんて、問うまでも無いか。
「…っっ…っ…!」
ぁあ…分からない。何でこんなに苦しいんだ?…ただ一つ。…こいつらの所為だってことははっきりしてるんだが。
「やぁあああっ!」
「…ぁあ?」
僕の顔に女の魔法が当たった…これは何だ?
僕の顔から血が流れる…これは何だ?
こいつが僕を傷付けて、男を守る…これは何だ!
「…何故貴女がここにいるのか、存じ上げませんが…鏡でもご覧になった方が宜しいかと。」
愉快な仲間達に囲まれて、お姫様が去って行く。…ぁあ、何時もの光景だ♪
「…おい、王子…。」
「く…くくくくくくっ!!」
ぁあ…それだ。お前はそうで無いと。
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