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…大垣峰(オオガキミネ)。
「霧が…晴れてる…?」
特級危険区域と呼ばれるこの場所で寝ていると、何者かの声がした。
「…ぁあ?」
「白百合 王子だな!貴官の身柄を拘束させて貰う!」
「…五月蝿ぇよ。」
呼んだのはあの女1人なんだが…フン。…本当に、嫌われてるんだな僕は。
…まぁ、それならそれでこいつらを利用してやるだけさ。
「ぁああ…!う!うわぁああああ!」
薔薇の魔法で、国軍の連中を魔物に変えてやると、残った1人は気が狂ったように叫ぶだけで、それ以外に何も出来なくなってしまったようだった。
「…フン。」
上出来だ。これだけやれば、正義感の強い馬鹿は簡単に釣れるだろう。
『こいつを野薔薇 姫に会わせろ。そうすれば、こいつは何もかも元に戻る。王子』…と。
魔法で顔の骨を変形させて、文字を浮かび上がらせる。
…さて、こいつが奴に会うまで暇だな…家族でも殺しに行くか。…僕とあいつの。
…何故僕が特級危険区域にいたか、だが。
この薔薇の魔法は、魔力さえあれば不可能なんて無い。何しろ完璧だからな。
…ただ、僕の魔力にも限界がある。だから…「霧」を僕の薔薇に吸わせた訳だ。
魔力の量もそうだが、その場の霧の濃度も、魔法の威力を左右する要素だ。…恐らくこれは、霧と魔力が互換性のあるもの…もしかすると全く同じものだから、だろう。
本来ここは霧に包まれた地獄みたいな景色だったけれど、僕がそれを変えてやった訳だ。
ぁあ…僕は何て素敵過ぎる王子様なんだろうね?☆これはもう、落ちたも同然だなぁ?お姫様♪
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