13:たまにはちゃんと説明して?

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13:たまにはちゃんと説明して?

 連作短編、『新開』シリーズ。  読んで下さった方の中には、疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。というのも、短編と言いながら、確かに短いのは短いけれど、どれも今一つすっきりとお話が解決していないからです。 これじゃあまるで、ただの長期連載と同じじゃないのか、と。 お答えしましょう。 …確かにその通りだ!  いや、威張って言うことじゃないですけど、実際そういう見方も出来ると思います。創作とは自由なものだと思いたい部分もあるし、読者目線でいえばいつも最後に放り出されて宙ぶらりんになるのは疲れるよ、という側面もあると思います。僕も書きながら迷い、悩んでいました。  ただ今回新たな試みとして挑戦したかったのが、 『一人称は変えずに語り部を変えることで世界を広げる』 という点と、 『読者の方々が飽きずに集中して読めるようにするにはどうしたらいいか』 という点でした。  あともう一点、少し失礼な言い方になるかもしれませんが、ショート作品の練習、という意味合いもあったりします。  何度か告知させていただいた通り、この後長編作へと物語は続いて行くので、実際は物凄く長いひとつの作品にすることだってできました。そうするべきだったのかもしれませんが、僕個人の意見としては、今回の試みは『アリ』でした。  というのも、やはり素人が書いている作品なだけあって、例え入口で興味を持っていただいても、ずっと最後までその興味やワクワクが持続するかは分かりません。それは読者側にも作家側にも言えることで、お金を払っても貰っていない立場としては、いつ止めてもおかしくないわけです。読むことも、書くことも。  そこを考慮した時に、多少無理やりでもスパッと短めに切り上げて場面転換を増やす方が、読む側としては疲れずにすむのかな、と思いました。  連作と銘打ったのは、『このシリーズは繋がっているよ』というお知らせ機能の代わりですし、『文乃』シリーズをお読みいただけた方にはスピンオフとして読んでいただくことも可能です。  そしてもう一つ。この『新開』シリーズは長編作への大掛かりな前振りになっていて、言わば長編作こそが僕の書きたかった本編になります。なので、最初から一つの作品として書き始めてしまうと、僕なりの本編へど辿り着くまでがとんでもなく長い!という結果を招いていたはずです。  それは、やはり、…しんどい。  思いついたことは全部書かずにはおれない自部の性分を恨みますが、こういう形でしか読んでいただく方法はなかったのかな、と、やはりそう思います。  『文乃』は長編三部作として最初から構想していましたが、これから始まる物語は一作で終わる予定です。  なので!  なのでなので!  お時間の許す限り、そちらの方でもまたお付き合いくださいませ。  以上、ここへ来て風邪を引いてしまった新開でした。
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