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15:どんな映画が好きなの?
ってそりゃあんた、どんなじゃない、映画が好きなんだよ。
なんて素敵な台詞を言ってみたいね、で御馴染みの新開です。
こちらはお久しぶりの投稿となります。
現在ホラー作品『九坊-kubo-』を書きつつコメディ作『トーク・オア・ダイ』にて違う物語筋肉を使って鋭意執筆中であります。
たまには創作物から一旦離れて趣味の分野で書いてみようかと思いたち、なんやかんやで15回目となりました。読み返しても全然実のあること書いてなくて、内面的なことをダラダラと垂れ流す「根暗な僕純度100」には違いないけど、二度以上読む気が起きない駄文の見本市なんですよねえ。
うーん、体調も悪いし、いっそのこと閉めようかしらここ(笑)。
あのー…映画が好きなんですよ。でも以前ここで、好きなんだけど邦画が駄目だーなんて命知らずな事も書いてるわけで。ただね、僕の所持するブーレイ&DVDコレクションを見渡すと、意外と洋邦の比率は半々だったりするんです。
だけど邦画で言えば、多分きっと、好きな分野が他人とはズレている、というかごく狭い範囲でしか物色しようとしていないんですよ。もっと心を広く持って、色んなジャンルにアンテナを張れる人間なら更に楽しいことを発見できるのだろうけど、いかんせん僕は意固地だから、
「ココ!ココ以外いらない!」
みたいな、小学生のような(いや小学生に失礼か)、凝り固まった台詞を心が叫んでいるわけです。格好つけた言い回ししてますけどただ視野が狭いだけですけどね。
論より証拠。
ちょっと書いてみますね。
・有坂来瞳主演「私の赤ちゃん」
・不二稿京監督「オルガン」
・堀井彩監督「泳げない女」
・同監督「異形ノ恋」
・藤崎ルキノ/辻岡正人主演「グシャノビンヅメ」
割とメジャーだと思うもので、
・穂香主演「テレビばかり見てると馬鹿になる」
・小野麻亜矢主演「多摩川少女戦争」
・魚喃キリコ原作「ストロベリーショートケイクス」
・手塚眞監督「BLACKKISS」
などが、僕のコレクション内にあるごく一部です。
どなたか、上の作品で見たことあるよーとか、持ってるよDVDなんて人いませんか? もしいたら泣いて喜ぶのにな。有坂来瞳好きなんです!という人に出会えたことがないの何故なんだ!? あんなに暗い目で微笑む素敵な女性はいないのに!……まあ、すでに芸能界からいなくなった感があるけども(言うな言うな)。
あ、「愛のむきだし」も好きですよ、メジャーでしょ!ここまでお騒がせ女優になる前の満島ひかりの才能を堪能できます(トゲあるな?)。後半、『コリントの書13章を知ってるか?』(おそらくコリントの使徒への手紙)からの畳みかける名シーンは圧巻でしたねえ。
だけど別にこれらは、アングラなインディーズ作品を追いかけて出会った映画たちではありません。自分が好きな作品についてを調べ、その周辺にいる人達が監督したり主演してたりする過去作を辿っていくと、ここらに出会えただけのことです。
上記の中でも僕が一番お気に入りなのは「泳げない女」と「オルガン」です。……おすすめはしませんがね。
僕、堀井彩監督の醸し出す風景の生々しい色が好きなんです。男女の性愛とか嫉妬とか孤独とか、ドキュメンタリー映像に近く、割とスタンダードな日常を切り取ってるくせに、なんとなく遠い世界なんです。どこかファンタジーなんです。誰にでも起こりえて、なおかつ物凄く陰鬱だけど、やっぱりロマンチックというか。「泳げない女」もそうで、『新・トウキョウ堕落論』なんてキャッチがついてるくらいなんで、なかなかにエロスです。話なんて、あるようでないです(ごめんなさい)。でもフィルムを通して不器用に右往左往する男女をぼーっと眺めているだけで、ふわふわと現実逃避させてくれるから不思議です。きっと駄作だって思う人が多いかもしれない。意味わかんないって。だけど僕の思う駄作ってもっと違うカテゴリーなので、僕は堀井彩監督を支持します。
でもって僕の清らかな心を破壊しやがったと言っても過言ではない問題作、「オルガン」。
僕はもともと映画好きなら誰もが通るであろう塚本晋也監督のファンです。最近はあまり見ていないのですが、「東京フィスト」あたりまでが大好きでした。藤井かほりさんのファンでした。
「鉄男」「鉄男Ⅱ」「電柱小僧がやってきた」「ヴィタール」「六月の蛇」「バレットバレエ」「悪夢探偵」「悪夢探偵Ⅱ」はDVD持ってます。
で、その塚本監督が企画運営していた海獣シアターというクリエイター集団にいたのが鬼才・不二稿京さんです。女性です。
ちなみにどうでも良い話ですが、僕の書いた「アーミテージ」と「九坊-kubo-」に出て来る残間京という登場人物の「ケイ」という読ませ方は不二稿監督から来ています。
そしてこの「オルガン」という作品…。
なんて言ったら良いんだろう。一般的にエログロなんて言い方しますけど、お耽美な要素をまるで排除して匂い立つ臓物と血と排泄物をぶんまわしながら疾走する暴走自転車みたいな映画です。
……わっかんねー……(笑)。
いや、これねえ、実際見た人がいれば理解してもらえると思うんです。
実を言うとDVDのパッケージの裏には物凄くしっかりとした物語のあらすじが書いてあるんです。臓器売買を追う刑事と、異常な姉弟犯人の対決が核にあるお話なのですが、もうねえ、やっぱり塚本組にいただけあって、映像の作り込みが半端じゃない。古い映画なので、最新技術を駆使したなんとかかんとか、じゃあないです。拘りが半端ないんです。フィルムの色調といい、カメラワークといい、どこまでもドライな絵が続くと思いきや、恐ろしく湿度の高いネチョネチョした映像があったり…。そして目を覆いたくなるほどの残酷描写。しかもいわゆるそのゴア表現というものが、全くもって美しくない!汚い!だからこそ、怖い!
幽霊とか怪奇現象一切なしで、人間のもつ醜さを煮詰めてここまで恐ろしい映画作れるんだ、と、当時清らかだった僕の魂を見事に汚してくれました。
ありがとう不二稿監督。
もうオルガンを僕は数えきれない程見たよ。
……と、語り出すと止まらない。意外にも邦画への愛は深かった。
いや、だからこそ昨今の大ヒット上映中だのなんだの言って若いアイドル俳優ばっか起用した原作レイプのク〇映画は◯◯×△※◯✕✕※△やるならちゃんとやれーーー!!
おあとがよろしいようで?
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