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8:いい夢みれたか?
おはようございますこんにちわこんばんわ、そしてお疲れさまです。新開です。
このエブリスタで創作活動を始めて5ヶ月が経ちました。その間ほぼ毎日文乃シリーズを書いてきました。別に僕の匙加減ひとつなので、完結とか言わなければ良いだけなのですが、どこかで区切りみたいなのを付けないと緊張感が保てないなぁ、とね。
何度か公言している通り、僕の書くお話はなんであれ同じ世界線で起こる物語です。そういった意味ではライフワーク。文乃シリーズだって、登場人物全員死亡とかじゃないかぎり、彼らの物語はどこまでも続いていくわけです。実際、どういう形になるかは未定ですが、文乃シリーズに出て来た登場人物の力を借りて別の作品を書いてみたいと構想しています。
これこそ予定は未定なのですが、やはり書くからには文乃シリーズとはまた一味違った作品に仕上げていかないと、区切りを付けた意味もないし、今回『文乃』が上手く嵌らなかった読み手のプロたちにも届けていきたい。見切り発車はせずにじっくりお話を練ろうかなと思っています。
僕は物語を考えるというよりも、思い浮かんだ映像を繋げて一つのお話として紡いでいくやり方で書いています。『文乃』を書き始めるにあたって最初に浮かんだ映像というのがあるわけなのですが、実はそのシーンはどのシリーズにも書けませんでした。
・学校の廊下
・物凄く臭いナニカが廊下を歩いて来る
・「僕」や「文乃さん」「池脇さん」らは教室の中にいて、引き摺るような音を立てて近付いてくるそのナニカに怯える。
・口鼻を必死に押さえて匂いと恐怖に耐える
そんなシーンを書こうと思っていたのですが、どこにも入れられませんでした。こういうこと、良くあります。他には、
・「文乃」さんの霊能力は超能力に近い
・強い力を使えば自分自身が傷つく
・腕を体の前で交差して腰を落とす。掛け声は唸り声のような地味な音。
・てやーとかうりゃーとか言わない
・呪文も唱えない
・白目必須
などの設定は最初からありました。実際これは、随所に書いてます。そして一番最初に案として考えていたのが、この文乃さんが頑張るシーンでした。上手く伝わっていたか自信がないのですが、「白目」「髪の毛逆立つ」「全身を戦慄かせて腰を落とす」「ウウーーーーン」みたいな映像が頭にずっとあって。何故って言われると分かりませんけど、あって。
ただただ彼女を動かしてみたい。素敵なお話を書きたい。そして、ホラーを書いてみたい。という本能の赴くまま書き始めたのが、『文乃』でした。
…いかがでしたか?
もしもこのシリーズを最初から最後まで読んだよ、という方がいらっしゃれば、あるいはこう思われたかもしれません。
『回収しきれていない謎がまだあるんじゃない?』
それは半分正解で、半分外れです。
世の中には白黒はっきりしないグレーが確実にあるように、見えない部分って絶対に存在しますよね。
物語内の色々な伏線を回収するにあたって、詳細に明言した部分もあれば、読者の脳内補完や想像にお任せした部分も確かにありました。それは皆まで言うとクドイだろうと思ったからであり、説明しすぎない方が良いのかな、という僕なりの判断です。
その他に、「かなしみの子」第五十五話の冒頭で、登場人物たちが残された謎について議論する場面があります。そこで提示されている謎も、やはりはっきりとした解決があったわけではありません。だけど、それで良いと僕は思っています。
伏線の回収を忘れたわけでも思いつかなかったわけでもなく、現実は複雑怪奇で、「分からないものは分からないんだよ、という伏線回収」の手法を用いたつもりです。
とか言いながら、気になるシーンを書いておいてその後全く触れずに終わっていたら、ごめんなさい。そっと胸の奥にしまっておいてください。
あなただけの、素敵な思い出に変えてください。
…フフ、何言ってんだ新開。
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