「Baby Snake : Alaska」

2:だから映画、好きなんだ？

　これは勝手な僕個人の意見であって、ただ単に僕の感受性が弱いという結論で良いのだけれど、邦画が面白くない。映画はもの凄く好きなのに、好きだからこそハードルを上げて見ている、というわけでもないのに面白くないんである。これはだから、邦画がつまんないのではなく僕が面白いと感じていないだけではないか、ということにしよう。世の中には「大ヒット上映中」と謳われる邦画がわんさかあるなかで、ひとっつも面白いと思わないんだもの、もう仕方がない。
　何度も言うが映画は好きなのです。だけども記憶に残っている映画やお金を払ってＤＶＤやブルーレイを買ってまで手元に置きたいと思える作品は、軒並み洋画なのである。ちなみに、そんな中でも邦画で手元に所有している作品がある。それらがどういった傾向にあるかと考えたところ、つまりは物語どうこうではなく、「好きな監督が撮った映画だから」あるいは「好きな俳優が出ているから」良いと感じているんである。その俳優もしくはミュージシャンが出ていればオッケーなので、物語にはこだわっていない。具体的なタイトルを上げて問題になるのは嫌なので言わないけど、前者は話が面白いのではなく映像が凄い。後者は話も映像も沢尻別にだけど好きな人が出ている、それだけ。
　だがなんと言っても映画は好きなのです。やはり、洋画が面白い。単純に脚本の倍率だけ考えてみても、それこそハリウッドに限定しても採用される脚本や原作の倍率は日本映画とは桁が違う。選ばれに選ばれた奇跡の物語が映像化される。加えて、ジャンル分けがとにかく上手い。感動作、コメディ、アクション、ＳＦ、ホラー、全てに振り切っている。ＳＦヒューマンラブサイココメディ、とかないもの。何を見てもそれなりに面白いし、時間の無駄だったとは思わないことが多い。邦画ってたまに、これジャンル何？と思う作品に出くわすんですよね。
　僕はなにも、映画通をぶりたいわけじゃない。なんだったら、ハリウッド超大作と言われるザ・アメリカンムービーが好きだ。例えば、アヴェンジャーズとか。なんだよそれ、と思うでしょ。だけど実際楽しみたい気分の時に、アヴェンジャーズシリーズより面白い邦画なんてないんですよ。古いけど、バックトゥザフューチャーとか(笑)。そんなもの、某漫画雑誌で連載されてるファンタジーコミックの実写化なんて比較にもならない。
　映画も小説も、どんなに複雑なプロットの物語であっても、書き方はシンプルなほうが良いと思います。難しい漢字で難しい表現を使うより、簡単な言葉で人の心を動かすことのほうが素晴らしいと思うし、高度だと思います。
　映画も同じ。ドガガーン、バガーン、派手にやろうぜえ！それで良いんです。そうやってとことん現実から離れていってほしい。それがたとえ真実を元にした物語であっても、見せ方でいくらでもドラマティックに仕上がるし、僕はそれが見たい。
　邦画は、なんとなくお高くとまってる印象があります。芸術性を重んじるというか。あるいはまったくその逆。こだわりのこの字も感じない、客寄せパンダ大集合でお金かけました、みたいなね。…何度も言いますけど、これは僕が勝手に思ってる個人的な意見ですよ。怒らないでね。

　僕は子供のころから妄想が趣味なので、現実とは別の世界を空想したり、創作するのが大好きでした。映画って現実逃避だと思うんです。今ある世界から抜け出して、作品の中へ浸り込む。そういう姿勢で映画を見た時、僕が日本人だからか、どうしても邦画より洋画のほうが遠くへ逃げていける気がする。
　あんまり飛べる作品に出会わない時は、自分で物語を作る。だから僕の作品は常に映像先行であり、映像をつなげてつなげて、物語を紡いでいくわけです。