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太陽神様、熟睡す
世界が闇に覆われたのは、太陽神様が眠っておしまいになったからだった。
太陽神様は、日の出とともに目覚め、日の入りとともに眠る。陽世民達は一億年の長きにわたり、それを太陽神様の習性だと思っていた。太陽神と言うからには、日の光を浴びる間だけが活動時間なのだろうと。
おそらくご自身も同じように思っていらっしゃったに違いない。でなければ、「一度ゆっくり一週間くらい寝てみたいなぁ」なんてことを軽々しく仰るわけがない。
「一週間だなんて、私どもでもそうそう眠れるものではありませぬ」
そう答えたのは、太陽神様のお付きの日奈神子。
「どうして汝らが眠れないのだい? 汝らの活動時間は、日の動きには必ずしも左右されぬのだろう?」
「一日八時間も眠れば、自然に目が覚めてしまうものなのでございます。太陽神様のほうがよほど長くお眠りになっておいでですよ」
「そういうものなのかねぇ」
太陽神様は納得いかないご様子だったが、日奈神子は「そうでございます」と押し切った。
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