勿忘草

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「もう泣かないよ」 貴女がこの腕の中に居てくれるなら……素直に貴女に気持ちを伝えよう。 「傍に居て、好きなんだ」 すると貴女は微笑んだ。優しく、柔らかく。そして俺の手を握って言った。 「私も好きよ、もう離さないで」 傍にいて欲しくて、もう離れたくなくて再会の今、朝陽の昇る橋の上で……貴女を強く抱き寄せた。 「二度と離さない」 埋めた髪の中で貴女の薫りに酔いしれながら涙を流す。 貴女は俺のすべてで、俺の生き甲斐なんだ。 二度と失いたくない。  還ってきてくれて有難う、たとえ他の人に姿が見えないカタチでも。 だから消えないように強く抱きしめた。 貴女がオレを忘れても、俺は貴女を忘れない。 「今度こそ……間違えたりしないから」 小さく呟く。 そうだよ、貴女が他に目移りさえしなければこんな形で貴女を取り戻そうなんて思わなかったんだよ? あの日の鋒で切り裂いた感触が手に残る。それを誤魔化すようにまた、ぎゅっと貴女を抱きしめた。 永遠に愛している。 ……ちゃんと愛してあげる、今度こそ…… fin
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