それは

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目覚めるたびに涙が流れる。 夢だけど夢じゃない。 全て過去にあったことが連日続けて夢に出てくる。 思い出を、恋心をたどるように。 彼の想いまでもたどるように。 もう終わったことなのに。始まることもないのに。 私がどれだけ違うことを思いながら寝ても、今愛している別の人を思っても。 その夢は終わりを告げない。 捨てた恋が戻り続けてくる。 最後の文化祭、私は人生初めて化粧をしてもらった。 ギャグのキャラかつ敵キャラの設定だったけど、全員可愛くしちゃおうとそれぞれが張り切ってくれた。 衣装を着て、いざスタンバイ。 鏡を見たら自分でも可愛いと思える姿に嬉しくなり気分が上がった。 だから距離を置いていた彼と目が合うと私は言ってしまったんだ。 「どう? 似合うでしょ」 「うん、可愛い」 あまりの即答に吃驚してたら彼は言った。 「お前は、可愛いよ」 ビックリして目が覚めた。 今のは過去じゃない。 いや、過去もあるけど彼に言われたことない。 可愛いなんて…… ――あれ? 言われた?
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