近藤鷹男(32)フリーターが就職を決意するまで

4/8
前へ
/13ページ
次へ
 サタン閣下は締めの挨拶に入る。 『さて、そろそろ時間だな。諸君、視聴ご苦労。では――』  また会おう。と、言う前に――。  『ガチャリ』とドアが開く音がした。  同時に、サタン閣下の顔は横を向き瞳孔が開く。  そして――。 『サタンさんいますかー?』  それは、天使の声。幼くあどけない幼女の声。  サタン閣下は玉座から立ち上がり、すぐさま画面外へと消えてゆく。 『愛理。こんな時間にどうしたのかね? 女の子が一人で出歩く時間じゃあないだろう』 『あのね。あそびにきたときに、わすれものしちゃってたの』 『そうか。ではブリザードに案内させるから、お部屋でご両親が迎えに来るのを待っていなさい』 『はーい』 『ブリザード。愛理を客間へ案内して両親に連絡を。それと茶菓子と温かいミルクティーも忘れずにな』 『はっ』
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加