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サタン閣下は締めの挨拶に入る。
『さて、そろそろ時間だな。諸君、視聴ご苦労。では――』
また会おう。と、言う前に――。
『ガチャリ』とドアが開く音がした。
同時に、サタン閣下の顔は横を向き瞳孔が開く。
そして――。
『サタンさんいますかー?』
それは、天使の声。幼くあどけない幼女の声。
サタン閣下は玉座から立ち上がり、すぐさま画面外へと消えてゆく。
『愛理。こんな時間にどうしたのかね? 女の子が一人で出歩く時間じゃあないだろう』
『あのね。あそびにきたときに、わすれものしちゃってたの』
『そうか。ではブリザードに案内させるから、お部屋でご両親が迎えに来るのを待っていなさい』
『はーい』
『ブリザード。愛理を客間へ案内して両親に連絡を。それと茶菓子と温かいミルクティーも忘れずにな』
『はっ』
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