107人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
「ふ、ぁ……ムッシュ………」
シモンの頭を掴む手が、強くなる。オー・デ・コロンの香りと、かすかに苦い煙草の香り、それから、シモンの肌のにおい。すべてがももの目の奥をジン、ジン、と溶かし、興奮を助長していく。
一方は舌先で、全体で、あるいは唇で淫らにほぐされ、もう一方は指で扱かれる。脚の間が疼く、頭がぼうっとして、呼吸はどんどん浅くなる。
「ん……、んっ……」
ザラついた指先と、ねっとりとした舌の感覚、それから、繊細な手のひらと、獣のような唇。すべてがももを責め立てる。ちゅ、ちゅ、と控えめに音を立てていたのが、やがて、ちゅぷ、ちゅぷっとはっきりとした淫靡な音に変わり、いよいよぴりりとした痺れが絶え間なく訪れるようになった。
「ぁっ……も、こんなの……っ」
絶頂してしまう。胸以外、どこにも触れていないというのに。かつて感じたことのないほどの快感。例えるなら、もうすでにももは熟した果実だった。真っ赤に艶々と輝いて、今にも弾けそうにその実を膨らませている。
「好いか?」
「っ、ウィ、ムッシュ……っ」
彼が今どんな顔をしているのか、なにを考えているのか、ももにはわからない。この行為に、愛があるのかも。だが、そんなこと、もうなんでもよかった。
シモンが乳頭をきつく吸い上げた瞬間、
「っああ……」
ひときわ高い声を上げて、ももは身体をわななかせた。
最初のコメントを投稿しよう!