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あとがき
最後までお読みいただきありがとうございます。
ちょっとだけ解説というより補足を。
蛇足だったらすみません。以下、興味のある人だけご覧ください。
今回の話は拙著「鰻捕り」のような作品を目指しました。
……そのはずが書いている内に段々と逸れてしまい、ちょっと情緒的な物語と言うより異界の存在と人間の出会いと友情の話になってしまいました(^_^;)
でも自分らしいオチで終われたかなと思います。
天狗という妖怪ものは、今回で一応3作目です。
「鰻捕り」はノスタルジックな少年時代の夏の思い出話。
「真夏の犬」は反対に当時の日常に紛れた恐怖を描いた話。
そして今作は子ども時代に体験した不思議な出来事の話。
共通するのは「子どもの時」ということです。
それぞれ昭和と現代と時代は違いますが、結局今の人間に妖怪を認識することはできないと思います。
本気で妖怪の存在を信じる人はどれくらいいるでしょうか。
彼らは純粋さが残る子どもにだけ姿を認識できる、儚い存在だと思っています。
向こうもそういう相手にしか姿を見せないのです。
今作はそれが顕著に表れています。
天狗に助けられたNですが、互いに言葉は通じません。
目には見えるのに言葉の応酬はできないのはやはり根本的に異なる存在だからなのです。
ただし、この天狗の言葉はじつは読めるようになっているので、ちょっと意識して読んでみると視点が変わってみえるかも知れません。
話しているのは普通の内容なんですけどね('-'*)
ちなみにもらった団扇は仰げば必ず心地よい風が吹く、ちょっぴり便利な道具という設定です。
思わず話が長くなってしまいました。
こんな所まで読んでいただきありがとうございます。
執筆の確約はできませんが、「夏野のこんな話を読んでみたい」リクエストはいつでもお待ちしております。
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
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