ハムスターばいばい 第2話

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女の店員は嬉しそうな顔をしていた。 「もう一匹飼うの? ハムちゃんが大好きなのね」 「はあ……まあ」 「あのハムちゃんの様子はどう?」 「動かないです」 「雌だから大人しいのね」 「はあ……」 「それなら、今度は元気な雄を飼ってみればどうかしら? きっといつか雌のハムちゃんと仲良くなって、たくさんの赤ちゃんが生まれるかもね」 「まあ……どっちでもいいですけど」  私はハムスターが交尾をしている様子を想像すると、なぜか暗い気持ちになった。結局その日、私は雄の白いハムスターを買い、小さな紙の箱に入れて家に帰った。
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