ハムスターばいばい 第2話

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 何だかつまらなかった。  今日も一日があっという間に過ぎた。あっという間なのに、重かった。  夕陽から目を背けるように、私はミカンの樹の下に座りこんだ。 翌日、私は学校で女子のクラスメイトの群れに突撃した。 「ねえ、聞いて! 私、ハムスター飼ってるの」    普段話しかけないクラスメイトに話しかけてみた。飴のようなキラキラの髪留めをつけた女子達が驚いた表情をした。 「え? ハム……?」 「ハムスター! ねずみじゃなくて、ハムスターね!」  私は興奮していた。ふわふわのあの生き物を皆に自慢したかったのだ。 「へ、へえ~、いいなあ」 「へえ……」  女子達は、へえしか言わなかった。  私はもっと、ハムスターの良いところを伝えなければならないと思った。
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