ハムスターばいばい 第2話

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生まれたてのハムスターのようにもぞもぞしている男子と、妹。見つかったら面倒くさそうだと思い、無視して通り過ぎようとした。しかし 「お姉ちゃん!」 と呼び止められてしまった。私は仕方なく立ち止まり、妹に聞こえないようにため息をつく。 「お姉ちゃん助けて!」  妹とともに男子達が、一斉につぶらな瞳で私を見つめた。私は四人の視線を感じながら、ジャングルジムの横に置いてあった木の棒を拾った。 「おい」  と私が呼びかけると、男子達は、三人とも構えた。じゃり、と公園の砂のざらついた音が聞こえた。  私は少しの躊躇もせずに、棒を振り下ろした。 「しね」 (続く)
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