ハムスターばいばい 第1話

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「ねえ、奈々。このハムスターちょうだいよ」 「え? なにいってんの。お姉ちゃん」 妹は眉間に皺をよせた。 「このハムスター私にちょうだい」 私は、彼女にわかるようにもう一度言った。 「駄目に決まってるじゃん。だって、これ奈々のハムスターだよ」 「違うハムスター買うお金あげるよ」 「……奈々はこのハムスターがいいの」 「ハムスターなんてどれも同じでしょ」 「とにかく駄目なの!!」  彼女は、金色のハムスターを私から庇うように、両手で包んだ。 キンタマは、奈々が一日100円の親からのお小遣いを必死にためて買ったハムスターだった。
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