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「ねえ、奈々。このハムスターちょうだいよ」
「え? なにいってんの。お姉ちゃん」
妹は眉間に皺をよせた。
「このハムスター私にちょうだい」
私は、彼女にわかるようにもう一度言った。
「駄目に決まってるじゃん。だって、これ奈々のハムスターだよ」
「違うハムスター買うお金あげるよ」
「……奈々はこのハムスターがいいの」
「ハムスターなんてどれも同じでしょ」
「とにかく駄目なの!!」
彼女は、金色のハムスターを私から庇うように、両手で包んだ。
キンタマは、奈々が一日100円の親からのお小遣いを必死にためて買ったハムスターだった。
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