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私はシーツとパーカーを交互に握り、拳を震わせた。“うるさい消えろ”と思った。
しかし、先生は話を続けた。
「お母さんは昼間働いているんだっけ? ……あら?桃子さん? どこに行ったの?」
先生が花に水をあげようと窓際へ向かった隙に、私はベッドから飛び起きて逃げ出した。足にじゅくじゅくとした痛みが走った。
壁をつたい、脚を引きずって歩いた。片足だけで歩くと息がすぐにきれた。通り過ぎる教室から、先生が授業をしている声と、元気に質問や回答をする生徒達の声が聞こえる。ああ、いいなあ。あの子達は、何も考えずに授業が受けられていいなあ。
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