ハムスターばいばい 第3話

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「これ雪じゃないよ」 頬にみぞれがぴたぴたあたった。 「さむ」 ぶるっと身体を震わし、ふと横を見ると、ハムスターが凍死して白目をむいていた。 「またかよ……」 私は深いため息をつく。 「さっきまで生きてたのに」  きっとホースの水がかかって凍え死んでしまったのだ。一ミリたりともハムスターは動かなかった。 二階の窓から奈々が、キンタマを抱いて空から降るみぞれを眺めている。 「また、新しいの買いにいかなきゃじゃん!」 私は無理やりスキップを始めた。が、脚が痛いのですぐに止めた その夜、食卓で私はうつろな目つきをして椅子に座っていた。  お腹をすかせた奈々が、二階から降りてきた。 「お姉ちゃん、また今日もママいないの?」 「うん」 「今日のご飯なに?」 奈々は無邪気な表情のままリビングの椅子に座った。 食卓の横にあるカレンダーは、2月22日を指していたが、私の頭の中でパラパラと日付が戻り始めた。 (続く)
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