結婚後、ちぃちゃん妊娠中の愛香の芋掘り遠足(問題には×が十二個※語り手は雪彦)

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 スマホが震えた。今度は通話で、慌てて出る。 「ちぃ姉っ?!なんか、いまっ、メール来たんだけどっ!」 「ああ……ごめん、愛想無いメールで」  確かに、愛想は無かった。一行だけ。 『芋掘りは俺が行きます』  ……また、二度見してしまう。 「いやっ、それは良いんだけど、内容!!芋掘りに行くって、」 「うん。私の代わりに行くって、本人が……私が行っても心配で仕事にならないから、それなら自分が行っても同じか、むしろその方がマシだって」 「行っても、大丈夫なのっ?!」 「大丈夫。得意なんだって、芋掘り。」  呑気な返事に脱力する。  違うだろ。大丈夫か聞きたいのは、そこじゃない。 「や、俺が心配してるのは、子どもにまみれて相手しなきゃいけないって方で……」  小学生にまみれて、お母様方に混じって、芋掘るんだぞ。社交的に、大丈夫なのか。 「それも、大丈夫だよ。もう少ししたらパパになるんだから、慣れとくチャンスだし」 「そりゃ、ちぃ姉はそう言うかもだけど」 「違うよ。本人がそう言ったの」 「え」  ……いま、なんて。 「そのまんま、『もう少ししたらパパになるんだから、慣れておくのに良い機会だし』って」 「パっ……」  パパと言ったのか、ご本人様が。  単語と見た目が合わな過ぎて、怖い。  その後ちぃ姉は、ダンナさんに電話を替わってくれた。  で、謝り倒しながら、当日の事とかいろいろ伝えたんだけど…… 「よく分かった、ありがとう。愛香ちゃんとの遠足、楽しみだ」  って、ちぃ姉に替わる前に言われて、頭の中が真っ白になった。  楽しみなの?!小学生女子との芋掘り遠足、楽しみなの……?!  合わない!!……言われた事とイメージが、合わない……!! 「良かった、決まって!まなに電話しておくね。試験、頑張って!」  衝撃で頭の中が真っ白になったままだった俺は、最後に替わったちぃ姉にそう言われて、「うん。」って馬鹿みたいに返事した。
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