貴族の私が婚約破棄されるなんて嘘でしょ!!

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1.まさか婚約破棄されるなんて 私のお名前はクロス・イリアスで貴族なんですが、 実はというと、庶民の人とお付き合いしてて 恋人であります。 恋人なのはいいけれど、婚約のお約束もしていたのです。 しかし、その庶民は突然、婚約破棄したいという事を知ると、 私は信じられないという気持ちで一杯です。 その真意を確かめるために私は庶民の元へ行きます。 庶民というのはアイム・マイルという人物の事です。 アイムは庶民でごく平凡な暮らしをしているのです。 私は急いでアイムの元へ向かうと、見知った人とすれ違うと それがアイム本人だとわかります。 私はアイムの事を追いかけていると、アイムが後ろに振り向いて 私だと気づくと立ち止まっている。 立ち止まっているアイムに私は追いつくとアイムに 「アイム、婚約破棄ってどういう事なの」 「クロスか、そのままの意味だけどね」 「どうして婚約破棄したいのかを教えてよ」 「そんなのわかってるくせにして聞いちゃうんだ」 「ど、どういう事よ」 「俺は庶民、クロスは貴族」 「それがどうかしたの?」 「俺は身分違いで毎日悩まされている」 「そ、そうだったのね」 「もうこんな事で悩まされるのは嫌なんだよ」 「そ、そうなのね、ごめんなさい」 「謝るくらいなら婚約破棄させてくれ」 「う、嘘でしょ!?」 「嘘じゃないよ、本気だ」 アイムは婚約破棄したいというのは本気のようです。 しかし、私はそう簡単に婚約破棄を受け入れるわけにはいきません。 一体どうすれば婚約破棄を回避出来るのかを考えています。 頭の中でじっくりと考えていても良い案が出てこないし、 このままだと婚約破棄が成立してしまうのです。 アイムの事をどうにかして説得しないといけないのはわかるけど、 どうすればいいのでしょうか。 「クロス、婚約破棄を受け入れてくれるよね?」 「嫌だ、出来ません」 「お願いだ、これ以上は俺に構うな」 「どうしてなのよ、恋人にもなって婚約の約束もしてたのにどうしてよ」 「クロスの愛が重すぎるんだよ」 「本人を目の前にしてそういう事を言うのね」 「こっちは本気だし、婚約破棄させてくれるまで言い続ける」 「どうしても婚約破棄したいのね」 「ああっ、そうだ」 アイムは心底、婚約破棄したいのはよくわかってるけど、 このまま成立させていいのかどうかわかりません。 その時でした。 一人の見知らぬ女性がアイムの元へ歩み寄ってくると、 アイムは 「どうしたんだ? アリサ」 「アイムが来るの遅いから来たの」 「そうか、ごめんな、今取り込んでてな」 「そうなんだ」 「なかなか婚約破棄を認めてくれないんだよな」 「そうなんだ、つらいね」 そうしていると、アリサという女性はこちらに向くと私に 「アイムの事を思うなら、婚約破棄を認めてよ」 「貴方に言われたくないよ」 「そういう事を言っていいの? おばさん」 「おばさんって私はまだ23歳です!!」 「そうなんだ、若いね」 「貴方には関係ないんだし、口を挟まないで」 「私にも関係あります、婚約破棄してくれないとアイムの付き合えないの」 「うっ、そこまでして婚約破棄を成立させたいようね」 「はい」 アイムとアリサという女性はこちらに聞こえないようひそひそ話をしている。 そんな事をしているとアイムが 「クロス、いい加減にしてくれ」 「はい」 「婚約破棄を認めて欲しい」 「わかりました、認めます」 「そうか、ありがとうな、クロス」 「はい」 「今までありがとうな、クロス、お元気で」 「いえっ、アイムの事を悩ませていたの知らなかったし、 それに苦しい思い、つらい思いをさせてごめんなさい」 「まぁ、次からは相手の事を考えて行動するといいよ」 「そうね、そうしましょうか」 「じゃあな」 「じゃあね」 アイムはアリサという女性と仲良く歩いて何処かへと行ってしまうのでした。 私は一人残されて寂しくしていると、急に目に涙が浮かんで泣き出します。 泣くくらいならもっと真剣に行動していれば良かったと後悔しています。 もう婚約破棄が成立した以上、後戻りは出来ない。 これからの私はどうなってしまうのでしょうか。 そんな事を考えていると、とても寂しい気持ちとなって悲しいです。 だからといって後ろ向きな考えはよくありません。 私は前向きに考えて新しい恋愛をするというの目標に頑張ります。 必ず幸せになってアイムに見せびらかして婚約破棄させた事を 後悔させてあげます。 私は必ず幸せになります。 幸せになって楽しい日々を送る。 クロス・イリアスは絶対に素敵な人を見つけます!!
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