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「あら…この鐘の音…
もしかして、丘の鐘、修理されたの?」
「違うだろ。
あれはもうひびが入って直せないとか聞いたよ。
きっと、他の所の鐘だよ。」
「そうかしら…?
でも、だとしたら、一体どこの鐘なのかしら…?
それにしても、とても素敵な音ね…」
「そうだね。
まるで、僕達を祝福してるみたいだね!」
「まぁ、マルコったら!」
人々は、どこからともなく響き渡る美しい鐘の音に、それぞれが幸せな想いを胸に抱いた。
その鐘をついた二人が、今、天に向かって旅立ったことを気付く者は、誰一人としていなかった……
~Fin~
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