推しが死んだ!

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 *** 「ああああああああああああああああ!蓮華様あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぶええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」 「おま、いくらなんでも近所迷惑!声抑えて声!」 「うわあああんそのセリフは蓮華様(れんげさま)に言ってもらいたかったああ!“ミホ、そんなんじゃミホの感じてる声聞こえちまうぜ?声もっと抑えなくていいのかよ”って!」 「うっわ重症……」  ダメだこりゃ。私は呆れ果てるしかない。お見舞いと称して彼女の家に突撃したのが学校後。彼女も私も部活動はやってないし、彼女の両親は共働きなのでしばらくまだ帰っては来ない。  が、帰ってこないからといって、そこまで新しくもない一戸建てで、隣近所を無視して大絶叫していいわけではないのだ。以前ホラゲー実況に挑戦して叫びまくり、近所からクレームが来て反省したのをもう忘れたというのか。  しかも、叫んでいる内容が内容である。  いくら直接的表現がないからといって、聞く人が聞けばなんの会話かすぐ分かるというもの。はっきり言って、R指定に引っかかる高校二年生の女子高生が公にしていい内容ではない。 ――ていうかこいつ、やっぱりこっそり年齢制限モノ見てやがったな……。  ほんとバカ、と呆れるしかなかった。自分達とてオトシゴロの娘である。エッチな事に興味を持つことだってないわけじゃないし、最近の少女漫画は青年漫画も真っ青なくらい過激なものもそれなりの数がある。以前何も知らずにかった少女コミック雑誌がとんでもない内容で、カルチャーショックに卒倒しそうになったのは記憶に新しい(何故あれの購入に年齢制限がかかっていないのか激しく謎である、小学生も買うものだというのに)。  年齢制限を子供が買ってはいけないとされる理由は、法律で決まっているから。なんで?も何もとにかくそうとしか言い様がない。そして実際に年齢詐称してそういう作品を見た場合、バレて罰せられるのは作者側である。  頼むからせめていけないことをしているという自覚くらい持ってくれ、と言いたい。しかも彼女のこの様子だと、推しの夢系小説の年齢制限ものはかなり網羅していそうで恐ろしい。
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