荒れ地

4/6
前へ
/6ページ
次へ
 口笛がやんだ。  少し眠る? イヴが言う。  そうだな。少し眠らせてもらうか。  俺は運転をイヴに交代することにして、運転席を空けた。  ホログラムのイヴが助手席から運転席に滑り込む。  任せて、というふうに俺に目をやると、ハンドルを握り、前を向く。  真剣な横顔。この顔がまたいい。  自動操縦機能にとっては、ホログラムがハンドルを握る必要は全くない。  しかし、この演出が心憎い。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加