生と死の狭間

9/36
前へ
/84ページ
次へ
まさか、生きのびてしまったのか。 だとしたら、おそらくここは病院だろう。 計画通りにはいかなかったとしたら、最悪だ。 来週まで実家に帰っているはずの優希が、急に帰ってきたのだろうか。 死のうとしている私を見つけて、救急車を呼んだのだろうか。 自分の運の悪さにうんざりする。 優希の怒っている顔が目に浮かぶ。 以前、私が死にたいと言った時、優希はイライラしたように言った。 「死ぬのは勝手だけど、俺に迷惑だけはかけるなよ」 優希の足を引っ張るような私の行動を、優希は絶対に許さないだろう。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加