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プロローグ
(疲れた。お風呂入りたい。
眼球取り出してバシャバシャ洗いたい。)
時刻は21時過ぎ。
真っ暗な室内でPC画面だけが明るい。
上司も後輩も帰ったので、静かな社内にカタカタとキーボードを打ち込む音だけがこだまする。
約3時間前。
自らの仕事を終えた私は椅子に腰かけたままぐっと背伸びをした。
「やっと終わったー。あとは久呂美ちゃんの資料添付して提出すればオッケーだわ。」
「由紀先輩お疲れ様でーす。」
隣の席に座っていた後輩の久呂美が答える。
「資料もうすぐできそう?まだなら少し手伝ってあげようか?」
「あとこれを入力するだけでーす。」
ニコッと久呂美が笑った。
「そっか。じゃあ私はお先に帰……え?!」
久呂美の手元にある資料を見た瞬間、私は自分の目を疑った。
「これ…去年のデータ……?」
「え!!!嘘?!」
久呂美もあわてて資料を確認し、みるみるうちに顔が青ざめていった。
「す、すみません……」
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