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「もしかしたら…だけどね。帰れるかもしれないし、無駄足になるかもしれない。」
レミは考えるそぶりをしながら話を続けた。
「この世界ではいろいろな種族がそれぞれの土地で暮らしてるんだ。だから各土地には必ず土地主が存在している。土地主は自分の土地と住人を守る代わりにそれぞれ特別な何かを持っていると言われてるんだけど…。それを集めれば帰れるかもしれない。」
「とにかく土地主に会えばいいんですね?」
帰れるかもしれない希望に私の心は弾んだ。
「土地主様に…。」
何故だかクロミが浮かない顔をしている。
「そうだけど話はそう簡単じゃないんだ。」
レミは真剣な顔で説明を続けた。
「土地主にもいろいろいて優しいのもいれば、ちょっと癖のある奴もいるからね。しかも確実にそれが帰れる方法ってわけでもないし。でも少し思う所があるのも事実さ。」
レミはそう言うとガサガサとかごの中から石板を取り出した。
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