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3.ロウ
「なんだか風が冷たいです…」
クロミがブルルっと身震いして言った。
2匹はゴツゴツした岩場のレミの家から言われた通り北へ真っ直ぐと歩いた。
岩場を抜けた所は谷になっており、風がビュービューと吹き抜ける。
「どこまで歩けばいいんだろうね…」
私がポツリと呟いた。
「レミさんは着けばすぐわかるって言ってましたけど…どういうことでしょう?
あ、ユキさんあれ!!」
風にクロミの耳がなびいたと思った次の瞬間、クロミは突然走り出した。
ちょうど谷の端。続く道は真っ白に染まっていた。
「雪の道ですよ!!珍しいですね。」
クロミがピョコンピョコンと跳び跳ねる。
「うわぁ。ほんとだ。わ、冷た!!」
私も足を踏み入れる。足先から冷たさが伝わってくるが、思ったよりは寒くなかった。
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