プロローグ

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久呂美が帰った後、残りの作業を黙々とこなしていると、突然部屋の電気が消灯した。 「??!!!」 あわてて時計の針を確認する。 時刻は21時ちょうど。 (あー電気の消し忘れ防止とかで、うちの会社9時に電気が自動で消えるんだった…。普段残業なんてあんまりしないからすっかり忘れてたわー……。) さいわいPCの電源は別なのかパソコンは消えずについたままだ。 (もう少しで終わるし、さっさと終わらせて帰ろうかな) 再び画面に向き直り作業を進める。 すると画面の文字が、ゆらりと揺れたように見えた。 (?) 目をごしごしして打ち込みを続ける。 ゆらり。ゆらゆら… やはり時々ゆれる。 (疲れてるからかな…) ぐにゃり。ぐにゃぐにゃ… (?!!) 視界全体が大きく歪む。 フラフラする頭を手で支えようとキーボードから手を離すと、PCの画面が水面のように見えた。 (?) さっきまでの画面となんだか違う。 見慣れてるはずの液晶画面ではない。 思わず画面に手を伸ばすと ぴちょん まるで水中に沈んでいくように、私は手先から画面に吸い込まれた。
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