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「えっと。それでお名前は…?」
白うさぎは尋ねた。
「由紀です。さっきまで会社で仕事をしてたはずなんですけど…。気づいたらここにいて…。」
「カイシャ…??聞いたことない所ですね…。あ、自己紹介が遅くなってすみません。私は見ての通り白うさぎのクロミです。」
「クロミ?!」
私はびっくりして聞き返す。
クロミはキョトンとしながらも頷いた。
「えっと…ごめんなさい。ちょっと知り合いと同じ名前だったので…。」
ゴニョゴニョと小さな声で私は答えた。
そういえば、どことなく久呂美に似ていなくもない…。
(久呂美もうさぎに?)
一瞬そう思ったが、目の前のうさぎは明らかに元からここに住んでいて私の事も知らないようだ。
(そんなわけないか…)
「白うさぎで黒くないのにクロミって名前だから子供の頃はよくからかわれました。」
クロミは照れくさそうに笑った。
「でもユキさんも黒うさぎなのに雪のイメージしちゃうから私達なんだか名前があべこべですね。」
どことなくクロミは嬉しそうに微笑んだ。
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