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画面をのぞくと、先程と同じように、私を抱き締める敦の姿が写っていた。
一年前に同棲を始める際、私は反対されるのを恐れて、敦には相談せずに黙ってこの街に来た。
敦が、この場所で仕事が終わるのを待っていた私に気づき、今日のように走って来て抱き締めた瞬間に、撮られたものだろう。
確かに、つい先ほど写されたものと、同じ構図の画像だ。
違うのは、朝陽とは反対岸に沈む夕日の光が、水面に映っていることぐらいだ。
「盗撮は、犯罪だぞ。」と、敦はたしなめるが、
「俺があげたこの画像、よく敦さんがこっそり見てるの知ってるっすよ~。」と、アフロ男は悪びれる様子がない。
随分、仲が良さそうだな・・・。
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