ヒナの正体

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 家で一人、敦を待ったが日付けが変わっても帰ってこない。 電話もつながらず、LINEも既読にならない。  そして午前四時を過ぎた頃、用意してあった上等なワインを一人で飲み干した勢いで、ついに敦の職場が見えるこの場所まで、来てしまったのだ。 「こんな時間にどうしたんすか!?」  家に帰る気にもなれず、ぼんやりと欄干を握りしめていた私は、知らないアフロヘアーの男性から声をかけられる。  声の調子から、年齢は二十五才の私と同年代だろうか。  お前こそどうしたんだよと思ったが、向かいのコンビニ袋を手に下げており、何をしていたかは明らかだ。  私はどのように見えるのだろう。酔っぱらい?川に身投げするとでも思われた? 私は、投げやりな気分になって、ぶっきらぼうに答える。
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