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「・・・彼氏が浮気したかもしれなくて。」
アフロ男は、驚いた声で、
「なんでそんなこと思うんすかっ!?」と語気を強めて尋ねてくる。
なぜ初対面の男に話さなければいけないんだという抗議の目で、男を見返す。
アフロばかりに注目がいっていたが、よく見ると目鼻立ちが整い、かなり格好良い青年だった。
子供のような濁りのない大きな目で問われ、私はつい、モジモジと答えてしまう。
「仕事って出かけたのに職場にいなくて・・・今まで残業が多かったのも、本当に仕事だったのかな・・・。」
敦が最近、こそこそ調べ物をしたり、お金を引き出したりしていたことも思いだし、全てが怪しく感じられ悲しくなる。
「それだけでですか!?」
確かに、第三者から見れば、些細なことになるのだろう。
しかし、私が敦を疑ってしまった一番の理由は、別な所にあった。
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