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当時の彼は、自分で切りましたと主張する不揃いな髪型に分厚いメガネ、奇抜な組み合わせの服で、女子達からは敬遠されていた。
いつも周りの目を気にしてばかりいた私は、敦の自分に正直な姿でいられる強さに関心を持った。
話してみると、マイペースな所もあるが、穏やかで優しい好青年で、私から告白し付き合い始めた。
敦の隣は、無理せず自分らしくいられる気がして、心地良かった。
就職活動中、社会人は身だしなみもマナーだと知った敦は、コンタクトに変え、美容室デビューも果たし、急にイケメンと呼ばれる部類に入った。
現在は、安定した実績が続く、少数精鋭で名の知れた企業に入社したため、モテない理由はないだろう。
スーツではなく私服出勤の会社だったので、当初はコーディネートに苦労したようだが、毎日、白シャツと青系のチノパンに固定することで、難関だったファッション問題もクリアされた。
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