後篇

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「……そういうこと言ってると、俺だっていい加減に我慢が……」 「我慢なんて、しないでください」言葉の途中で、言い被せる。 「……ハァ」と、鳥羽さんが息を吐いて、「おまえだいぶストレートな物言いだが、酔ってんのか?」仕方なさそうに口にする。 「酔ってますよ。酔ってなきゃ、こんなこと言えませんから」 缶ビールを握りしめたままぼそぼそと言う。 「……俺だってなァ、いつ抱いてやろうかって……」 鳥羽さんがひと息をついて、 「……ただそういうのは、なし崩しでやっていいもんでもないだろう」 ビールを一口含むと、 「タイミングを見計らってたんだよ、こっちも…」 ごくっと呑み下した。 ビールが流し込まれた喉元が上下するのを見つめていたら、 「……タイミングって、何ですか?」 いよいよ酔ってきて、絡むような口調になってくる。 「俺は、タイミングなんか気にしないで、してほしかったのに……」 ぶつぶつと呟くと、 「……だったら、」という低い一声とともに、テーブルにトン…と空き缶が置かれた。
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