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「いえ、そんなことは……」赤面しそうになり、うつむいて首を横に振る。 「俺は、不愛想で怖がられることも多いから、もし君にもそう思わせてたら悪いと思ってな」 「いえ、本当にそんなことは……」 それしか言えずに首を横に振り続けるのに、 「……君は? 名前はなんて?」 そう訊かれて、 「……桜井です。総務課の…桜井 (わたる)と言います。自己紹介が後になって、すいません」 「ほら、またそうやってすぐ謝る」 鳥羽さんがクスリと笑う。 「そんなに恐れられてんのか、俺は?」 首を振ることしかできずに、「あんまり年上の方とは、こんな風に話す機会もなくて……」ぼそぼそと言うと、 「そう、か…」と、鳥羽さんは頷いて、「君は、年は幾つなんだ?」尋ねてきた。 「25です」答えると、 「俺とは、一回り以上も違うんだな…」 そう話して、ふん…と鼻の先で笑った。
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