後篇

12/23
443人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
「望み通りに……」と、シャツの襟元が引き寄せられ、鳥羽さんの顔が真近に迫る。 「な…なにを……っ!」 「うるさい、黙ってろ」 ロウテーブルが片手で横に押しのけられ、乗っていた空き缶がガラガラと音を立てて横倒しになる。 「……あんまり俺を困らせんなよ、ガキ…」 噛みつくような性急な口づけに、 「……ガキなんかじゃないです、キスだってできるし…」 自分から彼にキスを返した。 「……ガキだろう? そんなキスしかできないとか。キスっていうのは、こうすんだよ」 唇が重ね合わされ、隙間からぬらりと舌が挿し込まれる。 「……んぁっ…」 「ちゃんと口あいて、俺に応えてみろって」 ほどかれたネクタイがぐいと引かれて、舌先が喉の奥を突く。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!