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夜の空へ細く立ち上る二本の煙を眺めながら、
もっとこの人に愛されたいと感じて、少しだけ距離を詰めて傍らに寄り添うと、腕がぐっと回され肩が抱き寄せられた。
煙草を唇から離して、どちらからともなく口づけを交わしながら、
手元から上がる紫煙がゆらゆらと絡まり合って行く様に、さっきまで狂おしく睦み合っていた肢態が浮かぶようで、
一本の煙草が取り持ってくれた掛け替えもない縁を、熱く胸に沁みて感じるようだった……。
終
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