風紀と入学セレモニー

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風紀と入学セレモニー

(とある腐った新入生視点)  春。  暖かい日差しの中、入学セレモニーは行われていた。 《--------生徒会役員と風紀委員会等に所属する生徒の紹介です。壇上へ上がって下さい》 「えっ、聞いた!?今の!」 「聞いたよ!王道なら生徒会と風紀って仲悪いんじゃ…?」 「あれ、じゃあなんで一緒に…?」 「一緒に紹介した方が面倒じゃないからじゃないの」 「そんな身も蓋もない…」  という、腐男子たちの声を遮るかのように放送が入る。 《お静かに。生徒会役員の方々の紹介です。生徒会役員の皆さま、壇上へ上がって下さい》 キャアアァァアァァ  男だけの学校だというのに耳を塞いでも響く甲高い声。  そんな声を、雰囲気を黙らせる、男の声。 《……騒々しい》  男のこの一言だけでホールが静まり返る。  壇上に居るのは6人の男の姿。 《……会長〜?最初はオレから、って言ってたでしょ?なぁんで先に言っちゃうかなぁ?》 《…………》 《あ、そ。無視ですかそうですかー。 …………改めまして、ご紹介に与りました。この場にいるオレたち6人が、今期の生徒会役員です。よろしくね〜》  甘いテノールの美声がマイクに乗ってホール内に響く。  とある腐男子たちは鼻血を噴き出させないよう努めるのが精一杯なこの状況。  このセレモニーの放送を担当している放送部員は会場警備をしているらしき風紀委員たちの纏う空気が物騒になっていることに気づいたようだ。  全力で見て見ぬ振りをしたが出来なかった放送部員は震えながら放送する。 《えっえーとっ!!!生徒会の役員の皆さま、簡単な紹介をお願いしますっ》  そして………  生徒会役員たちの、簡単な自己紹介が始まる。  盛大な舌打ちをかましたあとに口を開いたのは。 《……生徒会会長をしている。3年、吾妻川 葉留佳(あづまがわ はるか)だ。今年高等部に通う生徒たち。せいぜい後悔のないよう楽しんで通え。以上》 《え〜、もう紹介終わるの〜?早くな〜い?》 《……生徒会副会長を務めております、同じく3年、有馬 早苗(ありま さなえ)と申します。どうぞ宜しくお願い致します》  若干くい気味に紹介をするのは副会長さん。 《え、もう終わりなの??2人とも早くない??? ま、いいけどサ。 えぇっと、オレの名前は日向 琴李(ひゅうが ことり)だよ〜。会計やってまぁす。2年生だよぉ、よろしくねっ!》  全体的にきゃぴきゃぴしてるな、会計。  いやこれはマジで。チワワ並みのきゃぴきゃぴ感。JKかよ。男子校だけど。
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